ツイステッドにおけるミニオン吸収装置の活用術

 

はじめに

パッチ9.6で変更の入ったミニオン吸収装置について検討したいと思います。

私の好きなルーンの1つではあるんですが、どのミニオンに何個使おうかというところで迷ってしまうので、1つの指標として出したいと思います。

そこで、ミッドレーンでどうしてもプッシュしたいツイステッドフェイトの場合で考えていきます。

ミニオン吸収装置

パッチ9.6 で変更が入りました。変更後の効果は以下のとおり。

レーンの敵ミニオンを即座にキルして吸収できるミニオン吸収装置を3個所有した状態で試合を開始する。 ミニオン吸収装置は試合開始直後の180秒はCD状態となる。 敵ミニオンを吸収すると、同じ種類のミニオンに対するDMが恒久的に6%増加する。 同じ種類の敵ミニオンを追加で1体吸収するたび、更に+3%ずつ増加する。

変更内容としては、

  • 所有数 6 3
  • 基本ダメージの増加量 4% 6%
  • 追加ダメージの増加量 1% 3%
  • 初期クールダウン 240秒 180秒

となりました。詳しくはパッチノートを参照してください。

これにより、タンクサポートが持つとしてはナーフされ、ミニオンへのダメージ増加を目的として選択していたミッドレーンに対してはバフという認識です。

同じミニオンに全て使った場合、9% => 12%の変更であるから、プッシュ能力が上がるはずです。

では、どれくらい上がったのかについて、考えていきます。

ツイステッドフェイト

まずは、なぜツイステッドフェイトかについて述べます。

私が好きなチャンピオンというのもあるんですが、彼にはどうしてもミニオン吸収装置を持ち、正確に使わなければならない理由があります。

個人的な理由を以下に3つ示します。

(1) 早くプッシュしてロームしたい

このチャンピオンは、Rがローム系のスキルとなっており、レーン戦で育つというかんじではありません。

ロームするためには、ミッドを先に押し切ってから機会を伺っていくのが基本的な立ち回りになると考えています。

もちろんプッシュせずにロームすることも可能ですが、それを続けているとタワープレートもある現環境では、良い行動とは言い難いですよね。

(2) レーン戦を拒否したいときがある

はレーン戦がそんなに強いほうではないと思っています。

こんなやつらと比べるとレーン戦では劣ってしまいます。

スキルの特性上、どうしても通常攻撃をする必要があるため、そのタイミングでダメージ交換を持ちかけられるとダメージ交換に負けてしまいます。

そこで、Qを使って素早くウェーブクリアをできれば、レーン戦を拒否でき、ゲームを有利に進めることができます。

(3) 後衛ミニオンがQで残りやすい

Qはとても優秀なスキルで、Rangeが1450ととても長いです。

このスキルを使えば、(2)で書いたようなチャンピオンが来たとしても、射程外から届かせることができます(当たるかどうかは置いておいて)。

しかし、HPが満タンの後衛ミニオンにQをしたとしても、HPが少しだけ残り、Wを使うか通常攻撃で CSを取りに行く必要が出て来ます。

このチャンピオンを使ったことがある人は一度は経験済かと思います。

この瞬間が一番弱いタイミングです。Q, Wがないと何もできないので、CSが取れたとしてもダメージ交換に負けてしまいます。

Wを残して、通常攻撃に取りに行く選択肢もありますが、上に書いたようなチャンピオンには劣ります。

後衛ミニオンの体力が少し減ってからQを打つことも考えられますが、その頃には、押し切られている場合があり、ロームの機会も伺えません。


このように、ツイステッドフェイトにおいてウェーブクリアという観点はとても重要になってきます。

更にいうと、後衛ミニオンをQで倒しきるということが重要になってきます。

倒しきることができれば、上記でも触れているようにゲームを有利に進めることができます。

これを実現するためには、どうしてもミニオン吸収装置が必要となってきます。

そこで、Qで後衛ミニオンを倒しきるためのAPとミニオン吸収装置の個数の関係について考えていきたいと思います。

必要なAbility Power (AP)について

Qのダメージ

ダメージ計算

まずはQのダメージから考えます。

Qのダメージ(\(DM_1\))は以下のように表せます(Q: Qの基礎ダメージ、AP: 増加魔力、 MR: 対象の魔法防御)。

$$DM_1=(Q+0.65AP)\times\frac{100}{100+MR}\tag{1}$$

\(DM_1\)が後衛ミニオンのHPを上回ればよいから、\(DM_1 > HP\)を満たすAPを求めればよい。よって、

$$AP>\frac{HP(100+MR)-100Q}{65}\tag{2.1}$$

となります。

また、ミニオン吸収装置を使った場合について、Qのダメージに追加効果が得られるから、

$$AP>\frac{HP(100+MR)-100Q\times(1.03+0.3\times(使用回数))}{65\times(1.03+0.3\times(使用回数))}\tag{2.2}$$

になります。

スキルレベルの上がり方

次にQのスキルレベルの上がり方について述べていきます。例によって、回帰直線を引きます。

パッチは9.6 時点での数値に基づいています。

今回の調査では、2019年3月30日時点での日本サーバにおけるマスター、グランドマスター、チャレンジャーランクのサモナーの過去の試合で、ツイステッドフェイトがピックされている試合を調査しました。

調査対象期間はパッチ9.1 – 9.6で、試合数は147試合です。

上記のパッチ期間で経験値に関する変更は特にないので、すべて同じものとして扱っています。

これらの試合での、時間毎の経験値の点を打ち、回帰直線を引きました。グラフは以下のとおり。

それほど大きくはずれていない印象ですが、1試合だけ他の試合と比べ、獲得経験値が大きくなっている試合があります。(40分以降に25000を超えているもの)

これは他のレーンが負けてしまって、育った相手をツイステッドフェイトが倒すという試合展開になっていました。

十分考えられる試合展開なので、特に除外する必要はないと考えています。

以上のことから、パッチ9.1 – 9.6でツイステッドフェイトの獲得経験値(\(XP\))の推移は、時間(\(t\)分)を用いて、以下の式で扱います。

$$XP=517.74t-697.46\tag{3}$$

経験値がわかれば、前回と同様にレベルアップに必要な経験値一覧 をもとにレベルを算出します。

スキル上げの順番は以下のとおり。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
Q W E Q Q R Q W Q W R W W E E R E E

レベル1時にWを取ることが多いですが、グラフの都合上レベル1にQを取っています。

後に出てくるグラフでレベル1時にどれぐらいのAPが必要か知りたかったのです。

後衛ミニオンのHPとMR

次に後衛ミニオンのステータスについて述べます。

RIot Games APIかStatic Dataから取得できるかなと思ったんですが、それらしい情報を見つけられなかったので、wikiの情報を参考にします。

現時点(パッチ9.7)では、HPの推移は以下の表になります。

Increase 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
HP

296

302 308 314 320 328.25 336 344.75 353 361.25 369.5 377.75 386 394.25 402.5 410.75 419 427.25 435.5 443.75 452 460.25 468.5 476.75

485

Increaseがステータスの上昇回数、HPにそのときのHPを示しています。

ステータスの上昇は、90秒毎に行われるため、時間さえわかれば、後衛ミニオンのHPを求められます。

MRはどの時間帯も0です。

必要なAP比較

4.1、4.2節でQのダメージとミニオンのHPについて述べました。

本節では、これらを用いて具体的なAPについて見ていきたいと思います。

式2.1, 2.2とミニオンのHPの表を用いて、ツイステッドフェイトがQを使って後衛ミニオンを倒しきるのに必要なAPを以下のグラフに表しました。

上からミニオン吸収装置未使用、1回使用、2回使用、3回使用となっています。

ミニオン吸収装置未使用でQのレベルが1のとき、約360AP必要で ミニオンのステータスが上昇するごとに(90秒ごと)約9AP増加し、Qのレベルが上がる毎に約70AP減少していることがわかります。

また、ミニオン吸収装置の未使用と1回使用の間には、約22APの差があり、1回使用と2回使用、2回使用と3回使用の間には、約12APの差があります。

11分時点でQのレベルが最大となり、必要なAPが最低値となっています。

では、このAPを何分時点でどれだけ超えることができるのでしょうか。

以降でシミュレートすることで、考察していきたいと思います。

シミュレート

シミュレート方法

あらかじめビルドの進め方を定め、ゴールド獲得の推移を求め、ビルドを進められるゴールドを購入できれば、アイテムを購入するという方法を取ります。

これはリコールタイミングや勝っているor負けているという観点を含んでいないので、あくまでひとつの指標として考えてください

実際に見ると、とてもうまく進んだ場合を表しているように思えるので念のため。

ビルドの進め方

概要

ビルドの進め方は以下の2つを主要に進めるものを考えます。

  1. ロッド・オブ・エイジス(RoA)
  2. ルーデンエコー(Echo)

統計サイトなどに載っているものとしては、RoA が多いのですが、このアイテムは購入してから1分ずつAPが増加するという変わった効果をもっています。

また、を購入する関係上、序盤にAPが上がりません。

なので、でAPを獲得でき、完成直後のAPが高いEchoも比較対象として入れています。

統計サイトやプロビルドなどにも、数は少ないですが積んでいるプレイヤーもいるみたいなので。

これらの最終派生アイテムの素材から考えていきます。( こういったアイテムは細かく刻んでいません)

また、ルーンはを選択していることを想定しているため、ルーンからは18AP取得しています。

ロッド・オブ・エイジス軸

具体的なビルドの進め方は以下のとおり。

→  →  →  →  →  →  →  →  →  →  →  →  →  → 

相手によっていろいろ変わってくるとは思いますが、統計サイトで多く購入されているものを私が思う最適な順番で購入しました。

最終派生アイテムの素材の購入順番としては、左から順番に購入しています。

ルーデンエコー軸

→  →  →  →  →  →  →  →  →  →  →  →  →  → 

こちらは早い段階で高いAPを手に入れたいビルドになります。

このため、初手はではなくを選択しています。

また、3コア目はを選択しています。

なお、ルーデンエコーのpassiveのダメージは前衛ミニオンで消えてしまうと考えたため、考慮していません。

決して計算がめんどくさかったわけではありません…。

ゴールド獲得の推移

4.1.2項のスキルレベルの上がり方と同じ情報を用いて、時間毎のゴールドの獲得量を表します。

グラフは以下のとおり。

特に触れることはありませんね。

passiveの関係上、他のチャンピオンと比べるとゴールド獲得量が多くなってるのではないかなというぐらいです。他のチャンピオンは調べてないので、よくわからないです。

グラフから、パッチ9.1 – 9.6でツイステッドフェイトのゴールド獲得量の推移(\(G\))は時間(\(t\)分)を用いて以下の式で扱います。

$$G=413.11t-310.07\tag{4}$$

この式でゴールドを獲得していき、\(G\)が次のアイテムを買える値になれば、購入するという流れになります。

シミュレート結果

上記のビルドの進め方をした場合のAPの上がり方を以下のグラフに示しています。

最終派生アイテムと個人的に気になったシーンの購入場所をアイコンと線で表しています。

Qのレベルが最大になったとき(11分時点)で、軸の場合、2回以上使用すると満たせそうです。

それ以降は3回使っていればギリギリ倒せそうではありますが、ビルドが前後することを考慮すると難しいといえるでしょう。

よって、13分から20分の間は、どちらも必要なAPを超えることは難しく、の素材であるを購入したタイミングで2回以上使用した場合に超えていることを確認できます。

1回使用の場合はの素材であるを購入してからでないと超えることは難しいことがわかります。

考察

を完成させた場合、もう少し長い間、必要なAPを超えられると思っていましたが実際は、11分から15分の間のみで、その後超えられるタイミングはを完成させた場合と同じになるということがわかりました。

このような結果になったのも、を購入するタイミングが重要になってくるのかなと思っています。

今回は、この順番で購入しました。

これをとした場合には、はAP+40, はAP+30を得られるので、10分から20分の間でもう少し必要なAPを超えられる時間帯が生まれるのではないでしょうか。

具体的には、の場合には、2回以上使用した場合、の場合には、1回以上使用した場合にを購入したタイミングで必要なAPを超えることができます。

ウェーブクリアに重きを置くのであれば、から先に買うのが良いと考えられます。

かといって、を後から購入してしまうと対チャンピオン能力が下がってしまうので、悩ましいところですね。

チャンピオンに対するダメージも考慮できれば、どちらを先に購入すべきか断言できることができそうです。

まとめ

ツイステッドフェイトのQで後衛ミニオンを倒しきるための、ミニオン吸収装置の個数毎の比較、それに必要なAP、ビルド毎の超えられる時間帯について述べました。

まとめとしては、

    1. のどちらの軸でもの素材であるを購入したタイミングで2回以上ミニオン吸収装置を使用するとQで後衛ミニオンを倒しきれる
    2. を選んだ場合、11分時点で少しの間倒しきれる時間帯が存在する。
    3. の購入を遅らせれば、10分から20分の間で倒しきれる時間帯が増える。

となります。

後衛ミニオンに2回使用するか3回使用するかは、ビルドの進み具合で決めるとよさそうです。

基本的に2回で満たせますが、少しビルドが遅れそうだなと感じた場合に3回使用するというかんじ。

今回は一般的な育ち方をした場合でしかシミュレートできなかったので、キルを多く持っている場合、フィードしている場合といった状況下でも考察できればよかったと思っています。

matarooo

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